京成立石クチコミ探し

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トイレットペーパー騒動を調べてみる
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【取材受けました】『100日後に死ぬワニ』炎上、真の引き金は? Twitterデータで迫る

今更ですがコロナ禍におけるネットデマについての考察です

こんにちわ。クチコミ集めが趣味のUmeです!
今回はいつもの京成立石周りのネタではございません。
本業でライティング依頼された記事が1年経って権利フリーになったので
個人ブログでも掲載しちゃおうという内容になります。

テーマはズバリ。
『コロナ禍におけるネットデマ』
です。何かもう旬は過ぎちゃった感じですが…。
仕方がありません。1年前に書いた記事なので。

タイムリーではございませんが
今後ネットデマに騙されない、という点では多少学べる点はあるかと思います。

記事展開では3部作構成で作成しておりましたが
今回はブログ更新が面倒ということもあり無理やり1記事にまとめちゃいます。
自堕落な人間をどうかお許しくださいませ。

ではでは。
興味ある方もない方も暇がございましたら一読を宜しくお願いします。

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 2019年11月に中国の武漢市で発生が確認されてから、瞬く間に世界中に拡がった新型コロナウイルス「COVID-19」。1918年に発生したスペイン風邪以来の世界パンデミックに対し、インターネット上では真偽のほどが定かでない情報や、明らかなデマ情報が多数見受けられています。

日本でもSNSに投稿された悪質なデマ情報から、トイレットペーパーやティッシュペーパー、除菌グッズ商品などの買い占め問題が発生し、日常生活に大きな影響を与えました。また、新型コロナに対する効果的な予防法、ロックダウン(都市封鎖)や緊急事態宣言の発令時期などについてもデマ情報が拡散され、それぞれ関係する機関や団体がデマを信じないようにと情報発信する事態となりました。

 

下記はSNSを中心に2020年1月から緊急事態宣言が発令される4月上旬までに国内で拡がったデマ情報の一部になります。

 

【2020年2月】

日本で販売されているトイレットペーパーの多くは中国の工場で生産されており、コロナ影響により工場がストップし始めているのでトイレットペーパーが不足する。

【2020年3月】

新型コロナは熱に弱く、26~27度のお湯に殺菌効果があるため、積極的にぬるま湯を飲むと予防出来ると述べたLINEチェーンメールが出回る。

【2020年3月】

納豆を食べると新型コロナ予防に効果がある。

【2020年3月】

花崗岩に新型コロナの殺菌作用がある。

【2020年4月】

日本赤十字社医療センター関係者を名乗る人物から、医療崩壊が既に発生し始めていると述べたLINEチェーンメールが出回る。

【2020年4月】

緑茶を飲むと新型コロナ予防に効果がある。

【2020年4月】

「深く息を吸って、10秒我慢する」ことができれば新型コロナには感染していない

【2020年4月】

ロックダウン(都市封鎖)発令を示唆するLINEチェーンメールが出回る。

 

いかがでしょう。皆さんも一度は見聞きした情報があるのではないでしょうか。

災害時にデマ情報が拡がりやすい理由は色々とありますが、一番の理由はTwitterやFacebook、LINEなどといったコミュニケーションツールを介し、自身の知り合いから情報が伝わってくるということです。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年の大阪府北部地震の際にはメールやTwitterを介してデマ情報が拡がりましたが(※1)、本コロナ騒動においてはLINEによるデマ情報の拡散(※2)が見られています。LINEは他SNSツールと比べ、よりリアルな関係性から繋がりが形成されており、情報の信憑性に対するチェック意識が極端に下がる傾向があると思われます。

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(※1)過去の災害時に拡散されたデマ情報例

 

■2011年 東日本大震災■
千葉県にあるコスモ石油千葉製油所で火災が起きたことにより、同工場勤務の方からの情報だとして「有害物質が雨などと一緒に降るので注意せよ」というチェーンメールが出回った。
■2016年 熊本地震■

「熊本の動物園からライオンが逃げ出した」というデマ情報がTwitter上で拡がった。デマ投稿者は後日、偽計業務妨害の疑いで全国初の逮捕となった。

■2018年 大阪府北部地震■

「箕面市全域が断水している」といったライフラインや交通に関するデマ情報がTwitter上で拡がった。

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(※2)本コロナ騒動で出回ったLINEのチェーンメール例

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 本記事では新型コロナに関するデマ情報について分析を行い、拡散に至った経緯とそのメカニズムを解説していきます。デマ情報の発生、流布には学術的な心理学要素も大きく関わってきますが、こちらではネット情報の伝搬性やSNS特性といった視点からデマ情報の見極め方を説明いたします。

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 新型コロナウイルス「COVID-19」の世界流行が話題となり始めていた2月下旬。とあるTwitterユーザーが呟いた情報が瞬く間に日本中に拡がり、大きな社会問題へと発展しました。皆さんも購入に苦労したであろう「トイレットペーパー騒動」です。

ネット上に掲載された1つの情報がSNSを介し爆発的に拡散されていく様を「ネット炎上」と呼びますが、本件はネット社会にとどまらず実社会の物品購買にまで影響を与えてしまった稀にみる事案です。  

事の発端は下記ツイートからでした。

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当時品薄でなかなか入手できなかったマスクの問題もあり、本ツイートは真偽も確認されないまま爆発的に拡がっていきました。下記は国内Tiwtterにおいて「トイレットペーパー」というワードがどのくらい露出しているか調べたグラフになります。(期間:2020年2月27日~29日18時)

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問題となったツイートは27日10時頃に投稿されていますが、同日夕方には「トイレットペーパー」というワードが急激に増加していることが分かります(①)。更に翌日28日10時から22時の間で露出量はピークを迎え(②)、29日10時からも同じような増加曲線(③)から継続的に露出が続いています。これは「トイレットペーパー」の実購買時間、つまりスーパーや薬局といった実店舗営業時間に比例して投稿数が伸びているということです。投稿内容を見てみると「買えた」「買えなかった」という情報が多数見受けられました。もしかすると皆さんも少し心当たりがあるのではないでしょうか。

 さて、Twitter露出量の推移から爆発的に情報が拡がっていったということは分かりましたが、果たして本拡がりはTwitterだけで進んでいったのでしょうか。ここで他ネット情報露出量推移も見てみましょう。下記は国内Webニュース報道露出量を前述Twitterツイート露出量にプロットしたグラフになります。期間は2020年2月23日~3月3日の2週間で集計してみました。

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2月28日のツイート露出量増加に合わせて、Web報道露出量も増加しています。この時期、お店にトイレットペーパーが全くない映像や画像など、テレビやWebニュースでよく見られたかと思います。各メディアが本事象を報道した結果、それを見た消費者が不安を抱き、お店に向かうといった負のスパイラルが発生してしまいました。(下記参照)

 

  • Twitterユーザーがトイレットペーパー品薄可能性を示唆
  • ①を見たネットユーザーがトイレットペーパー購入に向かう(品切れ店舗が一部発生)
  • ②の状況を各メディア(テレビ、新聞、Webニュース等)が報道
  • ③を見た一般消費者がトイレットペーパー購入に向かう(品切れ店舗が多数発生)

 

騒動が拡大した大きな要因は、上記③の工程でネット情報など全く興味がない層(今回は高齢の方々)が実購買に動いたことです。遠い過去を振り返ると1973年に発生したオイルショックも当時の世界情勢から独り歩きした噂(クチコミ)が原因でした。もしかすると当時の思い出そのままに危惧を感じた人もいたのかもしれません。

 本騒動は3月上旬には落ち着くのですが、同期間までにトイレットペーパー供給が完全に間に合ったのかというと決してそうではありません。グラフより、3月に入りWeb報道露出量が急激に増加しているのが分かります。各メディアがトイレットペーパー製造、供給量について肯定的な報道を大量に流したことで、消費者の不安感が著しく低下したようです。特にトイレットペーパー生産大手の丸富製紙株式会社がTwitterで発信した情報は各ニュースでも取り扱われ、事態鎮静に大きな影響を与えました。

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引用:丸富製紙株式会社 公式Twitterより https://twitter.com/maru_tomi0103

 

SNSの台頭によりメディア影響力の低下がよく論じられますが、今回のような事態を情報量推移で見ていくと、メディアの影響力を改めて感じることが出来るのではないでしょうか。

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 知りたいことを自由に検索出来て、早朝でも深夜でも自分の好きな時間に見ることが出来るインターネットの情報は本当に便利なものです。災害時にもSNSを利用すれば安否確認が容易に行えますし、他SNSユーザーの投稿からリアルタイムに生きた情報を取得することも可能です。

インターネット情報の最大の強みは即時性ですが、一方でファクトチェックが疎かになっていることが問題になっています。特にSNSでは「いいね」や「シェア」、「リツイート」といった共感アクションが容易に行えるため、不正確な情報がチェックもされないまま共感という形で拡散されていきます。特にTwitterは顕著で、自身のフォローユーザーから流れてくる情報については深く思慮もせずに共感アクションしてしまう傾向があります。Twitterでネットデマが急速的に拡がるのもそれが要因です。また、最近はLINEによる情報拡散もよく見られます。LINEはTwitterに比べ閉鎖的なコミュニティですが、繋がっているユーザーはリアルな友人や知人が多く、発信者の信頼性が担保されていることから情報のチェック意識が極端に低下してしまうようです。

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※本コロナ騒動で出回ったLINEのチェーンメール例

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 ネットデマに振り回されないために必要なことは「目にした情報は自分で調べなおす」ということです。実はこの行為は普段からネット利用してる方は意識せずに行っているものです。例えば飲食店や宿泊施設を選ぶ際に、店や施設のHP情報だけでなく利用者クチコミなどを見てから決めていないでしょうか。より良い選択をするために様々な情報を調べ、判断しているはずです。では、なぜチェック意識が働くときと働かないときがあるのでしょうか。その原因は対象となる情報が自らの意思で取得したものなのか、他者から取得されられたものなのか、という違いになります。SNSのタイムライン機能を思い浮かべてください。自身の意思とは関係ないタイミングで新しい情報がどんどん目の前に並べられていきます。沢山の人に共感されている情報はより見やすい位置に表示されますので、そのような情報が良質だと感じるのは仕方がないことです。しかし、もしその情報が自身の生活に直接影響が生じると思ったらどうでしょう。前述の飲食店や宿泊施設選びと同じく、自らが失敗しない、損しないという意識が持てれば、情報の見方もきっと変わるはずです。

『ネットデマを不用意に信じない、不用意に拡散しない。』

悪質なデマに振り回されないよう、日々注意して過ごしましょう!

  

■ご参考■

最近ではメディアやSNSの情報を対象にファクトチェックを行っている団体があります。特定非営利活動法人ファクトチェック・イニシアティブ(https://fij.info/)です。本団体は2017年に設立されてから「真偽検証」を目的に数多くの情報を検証し続けており、本コロナ騒動においても有益な検証が行われています。何か気になる情報を目にした際は同サイトを活用してみてはいかがでしょうか。